たしかに、よしたに。

あんな人やこんな人について、考えたことを書きます。すこしでも「たしかに」となりますように。

こうありたいと思う人について。

湘南ベルマーレ」の事務所は、平塚駅というところから歩いて25分ほどかかるので、タクシーを利用することが多いのです、が。

きのうも、その事務所で湘南ベルマーレの社長・水谷さんと「ベルマーレの顔」ともいえる遠藤さちえさんと、あれこれを決めるためのミーティングを1時間半ほどして、「じゃあ、そろそろ帰りますね」と事務所の入り口のところでタクシーを待つことになりました。

いつも、ベルマーレのみなさんは事務所の入り口のところまで見送りしてくださるのですが、なんでも、きのうは雨が降っていたので、配車に10分ほどかかるとのことでした。ぼくは、「いいですよ、雨も降ってるんで、どうぞ戻ってください」と言いました。が、「大丈夫、大丈夫。事務所のまえに変なヤツがいるぞって社員が通報しないように、いっしょにいるよ」と水谷さんがおっしゃるので、10分ほどおしゃべりしながらタクシーを待ちました。

タクシーがやっと来て、「じゃあ、また」とぼくは乗り込み、タクシーは発車する。ぼくは、雨粒のたくさんついた窓越しに車内で会釈をしていたのですが、水谷さん、ずーーっと見えなくなるまで、こちらを見ながらそこに立っているんです。すこしくらいは、雨がかかっているはずです。むかし、おじいちゃんとおばあちゃんちに行った帰りも、ずっとおばあちゃんが手を振っていたことをふと思い出しました。

ぼくみたいな、ひとまわり、いやふたまわりくらい年齢の離れた若者に対しても、そういうことができるオトナの姿を見て、「じぶんもこういう人でありたいなぁ」と心底思いました。まったく偉ぶらない。くだらないジョークばかり言ってユーモアたっぷり。けれど、いつも人のために率先してドブに飛び込んでいく熱い心を持っているのが、水谷さん。あぁ、こうして書いていても、カッコイイなぁ。

きのう、水谷さんはこんな話もしてくれた。「ヨシタニさんね、ぼく、『志』と『夢』のちがいっていうのをなにかを見て考えたんですよ。志はね、その人が死んでもなくならないもの。ずっと世の中にのこる使命感の想いです。で、夢っていうのは、たのしさとかうれしさを、みんなで追い求めていくもの。どっちがいいとか悪いとかじゃないと思うけれど、ベルマーレは、やっぱり『夢』のほうだなぁと思いますね」と。

 

(たしかに、よしたに。)