たしかに、よしたに。

あんな人やこんな人について、考えたことを書きます。すこしでも「たしかに」となりますように。

パスを送る人と受ける人について。

この時期になると、ぼくの指導している高校ラグビー部に、「新入部員」がやってきます。ほとんどが、中学までは野球とかサッカーとかテニスとかをやっていた子たちなので、まずは基本スキルである「パス」から教えなきゃなりません。

ラグビーの指導の現場では、「パス」を教えるときに、「キャッチ」の練習をします。いま、「一般的には」という感じで書きましたが、すみません、ぼくは、まず「キャッチ」から教えています。

ラグビーボールは、みなさんご存知のとおり楕円球ですので、球体をキャッチするのとちがって、つかみにくいんですね(そのぶん、「腕や胸に抱えながら走りやすい」とは思うのですが)。

で、いいパスをするためには、この楕円球の「芯」の部分をつかんで、さらに、「パスをするときの状態」でキャッチをするのが理想です。なぜなら、「キャッチしたらすぐに投げられる」から。ボールをキャッチしたあとに、パスをするための手の形に持ち替えていたら、パスをするのが遅くなってしまいます。

さらにいえば、「いいキャッチ」をするためには、自分から「パスをくれ!」とパスをくれる相手に声をかけておく、というのも、とても大事です。つまり、パスの送り手と受け手が、「おれは投げるぞ」「おれは受けるぞ」という「信頼」という名のコミュニケーションをしっかりとれているのが、ミスをなくすために、大事なことなのです。

「いいパスは、いいキャッチから。」「ボールを落とさないコツは、送る側と受ける側がお互いに共通の認識を持っていること」。これ、ラグビーに限らず、普段のコミュニケーションも、おんなじかもしれません。

それはそうと、職場でも部活でも、「新人がやってくる」というのは組織にとってすばらしいことだと実感しています。もともといた人たちが原点を見つめなおせますし、1年前は「新人」だった2年目たちが「お兄ちゃん・お姉ちゃん」の顔つきになるんですよね。

会社では新卒を採用するのは、「投資」の意味合いが強いけれど、ぜったいに「儲け」以外の果実を組織にもたらしてくれると思います。みんな、どこかの組織で、「なにもないじぶん」を育ててもらった人がほとんどですから、つぎはだれかを育てないと。

人間のカラダも、新陳代謝しなくちゃ、健康といえません。組織もおんなじだと思うです。

 

(たしかに、よしたに。)